深谷市鹿島古墳群73号墳
鹿島古墳群は、荒川右岸の河岸段丘上に分布する群集墳で6世紀から8世紀にかけての築造と推定されています。かつては100基以上ありましたが現存するのは56基です。
古墳名 墳形 規模 所在地 立地 出土品、備考 引用
鹿島古墳群73号墳 方墳 一辺9m 本田字平方裏 台地 横穴式石室 埼玉県古墳詳細分布調査報告書、古墳時代の深谷

前回(2002/06)来た時はかすかな高まりでしかなかった73号墳が発掘調査されていた。(2004/03/21)100基ほどある群の中で初めて方墳と判明。

終末期方墳としては最小クラス。南と北面に裾石が直線状に並ぶ。北と西には裾石が無い。葺き石は無く裾のみ1段積まれたらしい。

同張りの横穴式石室。裾石と軸がずれている(直角でない)。また、主体部は西に偏った位置にある。もともと円墳であったものを方墳に変更したのかもしれないとのこと。

玄室長3.2m、羨道長1.3m。周囲に詰まれた控え積の石も残っている。羨道は追葬時に作り替えられている。

上部は失われているが比較的良く残っている。壁面は荒川の河原石を用いた模様積。この種の石室は埼玉では見学できる状態で残っているものがないので貴重だと思う。

石室プランは鹿島古墳群で一般的に見られる(過去に30基ほど発掘調査された)胴張りの形状で特別なものではない。

出土品は非常に少なかったらしい。この他には人歯や群では初の出土のガラス玉がある。鹿島古墳群では最後に築かれた古墳と考えられる。(7世紀末?)
(撮影 2004/03)
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